異例の勢力を保つ台風10号が接近した6日、九州と中国、四国地方で少なくとも850万人に避難指示・勧告が出されるなど厳戒態勢が敷かれた。暴風域に入っていた宮崎、鹿児島の両県では、負傷者計10人が確認された。沖縄・大東島地方では建物被害も出た。
鹿児島県などによると、6日午後9時20分時点で5人がけがをした。奄美・加計呂麻(かけろま)島で5日、70代男性が避難所の設営中に転倒し肋骨(ろっこつ)を骨折。喜界(きかい)島でも80代女性が雨戸に手を挟んで軽傷を負った。宮崎県でも60~90代の男女5人が軽傷を負った。
沖縄県によると北大東島・北大東空港のシャッターが破損したり、風で飛んだトタンで住宅の窓が壊れたりする建物被害が9件あった。負傷者はいなかった。
九州電力によると7日午前0時現在、九州全県で計29万3490戸が停電している。
台風の北上に伴い、九州や中国、四国地方の自治体は避難指示や勧告の発表を急いだ。6日午後8時時点で、少なくとも避難指示を計約179万人、避難勧告を約679万人に発出。九州では避難指示・勧告が計837万人に出され、避難勧告が愛媛県で約7万人、山口県で約4万人に出た。
福岡市では午後3時に市内の土砂災害や浸水被害の恐れがある地域に住む77万3914人に対して避難勧告を発出。夜間に風雨が強まることが想定され、天神や博多駅前など中心街も含めて出したという。一度に出した避難勧告では「記憶にない規模」(市の担当者)としている。
九州では7日も台風の影響が続き、JR九州は九州新幹線・在来線ともに全線の運休を決めている。JR西日本の山陽新幹線も博多―広島を運休する。
【動画】台風10号の接近で、荒れる奄美大島と屋久島=マリンスポーツ奄美提供、武田剛撮影
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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