岐阜県内各地の公立高校で3月1日、卒業式がある。県立華陽フロンティア高校(岐阜市)の通信制課程で卒業生を代表して卒業証書を受け取るのは、山田智也さん(48)。10代のころは学校で机を投げて暴れ、教師にも母にも反発した。「長い間、待たせてごめんなさい」。母への感謝を胸に、式に臨む。
34年たった今も、忘れられない光景がある。中学の卒業が迫ったころ。いつものように自宅で母と言い争っていると、いきなり母に首をつかまれた。「あなたを殺して私も死ぬ」。ベッドに体を押しつけられて「死ぬ」と思った。その瞬間、「産んでくれた親にそんな言葉を言わせた。悪いな」との思いがよぎり、目尻に涙がにじんだ。母の手が緩んだ。
中学時代は教師に反発して胸ぐらをつかみ、飲酒や喫煙で補導された。校内で何かトラブルがあると教師に呼び出され、「ぬれぎぬ」を着せられたことも。だから、学校で机を投げて暴れた。母は何度も学校に呼び出され、周囲に悩みを相談していた。
数学と理科は得意だったが、内申点は芳しくなかったと思う。公私立の4高校を受験して落ちて、そのまま社会人になった。20歳のときにガス機器の施工・修理業者として独立。結婚して3児の父になった。
「お父さんも高校行ってないのに…」長男の一言で通信制へ
華陽フロンティア高校の門を…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment