長野県駒ケ根市の建設会社「ヤマウラ」の子会社で不適切な支出が繰り返されていた問題で、問題を調査したヤマウラの第三者委員会が最終報告書をまとめ、不適切支出は約10年間で約26億3885万円に上ることを明らかにした。子会社の経理責任者だったヤマウラ社員1人が関与し、自身の長男側に多額の送金をしていたとした。同社はこの社員を8月25日付で懲戒解雇処分とした。
1日に公表された調査報告書によると、分譲マンション販売の子会社「ヤマウラ企画開発」(東京)での不適切支出は2013年に始まり、今年4月まで続いた。同社の通帳や印鑑を、ヤマウラで経理課長職を務めていたこの社員が管理していたという。
社員は20年12月までは主に預金口座から現金で下ろし、19年10月から次第に、長男の個人口座や長男が代表を務める会社などの口座に、1千万円を超えるまとまった額を振り込むようになったという。不適切支出は20年4月~23年3月の3年間だけで全体の大半の25億円を占めることがすでに明らかになっている。
社員は調査に対し、「小口の支出は上司から依頼があって渡した裏金。長男絡みの支出は長男への貸し付け」と説明しているという。第三者委は調査報告書で「刑事上は業務上横領罪に該当する」と指摘。ヤマウラは6月、業務上横領容疑で駒ケ根署に被害届を提出している。
調査報告書がまとまったことを受け、ヤマウラは「皆様に多大なご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げる」とするコメントを出した。(佐藤仁彦)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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