100時間超3割、過労死ラインに達した保健所の「コロナ残業」 4月の福岡市(西日本新聞)

市「応援体制見直す」

 福岡市で新型コロナウイルス感染症の対応に最前線で当たった保健所職員49人の約3割で、4月の残業時間が単月の過労死ラインとされる100時間以上となっていたことが12日、市への取材で分かった。最長の職員で155時間に上っていた。同市では九州全体の約4割を占める370人超の感染者が確認されており、4月は最も集中。感染経路の調査など感染拡大防止の上で重要な役割を担う保健所の業務が逼迫(ひっぱく)していたことが勤務状況からも明らかになった。 【動画】手作りガーゼマスク10分で完成  市は、各区の保健所で感染症対策を担当する健康課健康づくり係の職員49人について3、4月の残業時間を集計。それによると、3月にゼロだった残業100時間以上の職員は4月に14人となった。同月の担当職員の平均は66・3時間で、3月の同22・2時間から3倍に膨れ上がっていた。  同市では2月20日に九州で初めて感染者を確認。その後、感染者数は低調に推移したが3月26日以降に急増した。連日複数人が検査で陽性となり、4月4、10日には1日で最多となる26人の感染が確認された。4月末時点で県内の感染者の6割近くが同市に集中していた。

長崎では29人が80時間超

 保健所には、感染者への聞き取りや濃厚接触者の調査、PCR検査の手配、感染が疑われる人向けの窓口「帰国者・接触者相談センター」の電話対応など業務が集中。市は負担軽減のため各区役所内の別部署から応援職員を充てたほか、4月20日から同相談センターの役割を専門のコールセンターに移管するなど対策を打ったが、抜本的な労働時間改善とはならなかった。  市によると、体調を崩した職員はいないという。市は「第2、3波に備えて、保健所への応援体制を見直したい」としている。  また、長崎県では、長崎港(長崎市)に停泊していたクルーズ船の乗員による集団感染の担当部署となった福祉保健部を中心に、職員29人の4月の時間外労働が80時間を超えていたことが分かった。  県人事課によると、このうち100時間を超えた職員も複数おり、最長は146時間だった。現在のところ、体調不良を訴える職員はいないという。  県はクルーズ船の対応に当たるため、同部以外からも職員を集め、感染拡大の防止や乗員の健康管理などに努めた。(泉修平、野村大輔)

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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