106歳で日常詠んで短歌年間賞 兵隊、農家、県職員から趣味の人に

 「長らえて 生き来し幸を 今に知る 何時まで続くか 老いの道行(みちゆき)」。2023年度に本紙群馬版の上毛歌壇で詠まれた優れた作品に贈られる年間賞を、群馬県館林市の三田善四郎さん(106)が受賞した。大正6(1917)年生まれの三田さんは、今も自分の足でしっかり歩く。80歳から詠み始めた遅咲きは、チラシの裏紙で歌を考えてははがきに写すいつものスタイルで投稿を続けている。

 西谷田村(現在の板倉町)で農家の11人きょうだいの7番目として生まれた。尋常小学校を卒業後は父から「百姓の子は百姓をやれ」と言われて、7年間は農業をやった。20歳で徴兵検査に合格して中国へ。しかし「銃を背負ったのは2年間だけ」。あとの6年間は司令部で命令や戦況を伝える文書の作成を担当した。

 終戦後、職探しで訪れた県庁の地方事務所では、履歴書の字のきれいさが担当者の目にとまり、合格した。息子の正信さん(75)は「字が上手だった父は、『書く』ことで人生を生き抜いてきたんだと感じます」。

 70歳を前に仕事を辞め、趣…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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