TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月15日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「東洋経済オンライン」編集長の武政秀明さんが“10年後も稼げる仕事”について述べました。
◆10年後に残る仕事と残らない仕事
ジャーナリスト・渡邉正裕氏の著書「10年後に食える仕事 食えない仕事 AI、ロボット化で変わる職のカタチ」(東洋経済新報社)で述べられている、これからの仕事選びについての4つの分類が話題となっています。
新型コロナウイルスの影響により、今後経済や雇用が大きく変わる可能性がありますが、この4つの分類のなかでこれから有利だと言われているのが“デジタル・ケンタウロス型”。これは、「職人的要素を持ちながらAIをうまく活用していくことになるので、中核的な業務においてはAIに仕事を奪われる心配がない」と武政さんは言います。報酬も高く、雇用も安定し、なかには日本語の壁に守られる職業もありますが、AIを活用できないと競争力が低下するというリスクもあるそうです。
次に、「テクノロジーに代替されるので人間の需要が減っていく。賃金水準の向上は見込めなさそう」と示唆するのが“AI・ブロックチェーン失業”と“ロボティクス失業”。
ただ、税理士、教員、薬剤師などの資格保有者が多く、もともと賃金は中流以上の前者は「まだマシ」と言います。日本は既得権が異常に守られている社会だけに「急に変革することはないと言われている」と武政さん。一方、現時点で最大の働き手を要し、日本の中間層を形成している接客業などの後者は、「既得権に守られない職業が多く、下落スピードが早い」と言われているそうです。
また、人間の技能が集約された“手先ジョブ”は、技術的に機械化が不可能だけに永遠に残り続けるそうですが、なかには低スキルの仕事もあり、「そのあたりは結構キツいのかな」と危惧します。
そして、“職人プレミアム”も人間にしかできないことだけに雇用の安定度は高いとか。警察や消防、自衛隊などの現業系の公務員も一定数存在するそうで、「国家が存在する以上必要不可欠、この職種もAIが入り込む余地がほとんどない」と言います。
ちなみに、“職人プレミアム”はITやテクノロジーに関わらず生きていきたい人にとっての「逃げ場」になるかもしれないそう。ただし、民間の場合はグローバル化が必要で、「外国人マーケットを考えないと食べられなくなるんじゃないか」と武政さん。しかし、新型コロナの影響でグローバル化の厄介点も浮き彫りとなり、「今の前提が変わる可能性はある」とも。
◆キャリア設計に必要なことは?
そして、武政さんは何をやりたいのかわからない若者に向け、「とりあえずITエンジニアを目指して勉強する考え方は一理ある」とアドバイス。なぜなら、プログラマーから営業・経営方面へのキャリアチェンジはできるものの、逆は難しいから。
MCの堀潤が「自分で作る仕事、自分だから生産できる現場は強そうですね」と感想を述べると、武政さんは「自分のオリジナルで何かを作り出す仕事がこの先もずっと残っていく。その際、何に価値観を置くかが大事になる」と言い、さらには「いかにAI、テクノロジーをうまく活用していくかを見据えた上でキャリア設計していくこと」と説き勧めます。
さらに、タレントのフィフィさんが「この機会に生き方も働き方も教育も変えていこう」と促すと、武政さんは大きく頷きつつ「価値観が急激に変わるなか、大事なのは自分のオリジナルなものを持ち続けること」と話していました。
番組では、視聴者に「あなたの仕事は10年後もあると思いますか?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。
◆あなたの仕事は10年後もあると思いますか?
思う……1,248票
思わない……636票
仕事をしていない……762票
Source : 国内 – Yahoo!ニュース