「採用面接がこわい」「人間関係が不安」「就労支援をうけるのも苦手」。でも本当は外に出て働いてみたい――。そう感じているひきこもりの人たちの壁をとりはらい最初のステップを踏めるよう、自由な勤務形態で働けるカフェが愛知県内にある。
同県春日井市にある「ワンぽてぃと」はサツマイモなどを使ったメニューが人気のカフェ。昨年5月にオープンした。元々飲食店のパート従業員だった小栗加奈さん(47)が個人で経営する。
現在、ひきこもりだった2人をアルバイトとして、不登校の中学生を職業体験の形でうけいれている。
15分働けば賃金が支払われる。ランチタイムでも気兼ねなく帰っていい。お皿を落とすミスがあっても「大丈夫?」と声をかけてくれる――。
そんなカフェに入りたいと全国から問い合わせが相次ぐ。
きっかけは、犬の散歩
アルバイトの男性(22)は昨年の開店当初から働く。高校2年の夏に自主退学をしてから、断続的にひきこもるようになった。
20歳のころにはチェーン店の飲食店でアルバイトをした。だが続かなかった。「キッチンに入ればお客さんの回転数に対応しなければいけない。重圧で壊れてしまった」と振り返る。
仕事を辞め1年ほど実家の自室にこもる日々。風呂やご飯、歯磨き以外は自室で動画をみたり、ゲームをしたりして過ごした。その「作業」に集中すれば何も考えなくてすむ。
でも作業が途切れると、「死にたい」「消えたい」という気持ちがわき上がった。生きているのか死んでいるのか分からない状態だった。
一方で、人とずっと関わらないと「人と関わりたい」と思う気持ちも生まれる。だが誰かとやりとりをしばらく続けるとストレスも感じる。
「LINEも既読がついているかとか、自分の素っ気ない返答で傷つかせてしまうのではとか、考えすぎちゃう」
人との関係が苦しく感じて…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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