この夏、川での事故が相次いでいます。お盆に入れば、お出かけをする人も増えるはず。川の注意点を知るために、水難事故が多発している場所を取材しました。
7月下旬、平日の午後。岐阜県美濃市の長良川にかかる鉄筋コンクリートのつり橋「美濃橋」を訪ね、川の安全に詳しい北川健司さん(70)=NPO法人「川に学ぶ体験活動協議会」常任理事=に案内してもらった。この美濃橋付近では、2008年~22年の15年間で18人が死亡していて、河川財団の水難事故多発地点の一つでもある。どんな危険が潜んでいるのか。
市内では39度を観測。早く冷たい水に入りたくなる暑さだ。広い河原に車で入れるため、バーベキュー客などに人気がある。車が20台前後とまっていて、家族連れや大人のグループが遊んでいた。子どもたちの歓声がひびく。
愛知県小牧市から保育園児と小学生の娘2人とやって来た会社員の男性(40)は、川岸に座って川遊びをする子どもたちを見守り、娘の1人が下流に向かおうすると、「こっちこっち」と上流を指さして、自分よりも下流に行かないように注意していた。3人ともライフジャケットを着ている。
男性は、子どものころに川で溺れたり、対岸に渡ろうとして溺れた人を何人かで助けたりと、川の恐ろしさを経験したことがあるという。「だからこそ、怖いからと水辺を遠ざけるより、しっかり準備して自然の中で遊ばせたい」と話した。
「足が下に引き込まれそうに」
北川さんとともに橋の上から下流側を眺めると、川幅が広く穏やかに見えた。それでも川の深さには注意が必要だ。
右岸から対岸に渡ろうとする…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル