15歳で失明、「楽器を弾きたい」 叶えてくれたマトリョーシカ

【動画】テルミンが入ったマトリョーシカ「マトリョミン」=竹内正実さん提供

 JR浜松駅から徒歩10分ほど。浜松市中区にある鍼灸(しんきゅう)院「安松鍼(はり)院」の治療室には、黄色いずきんをかぶったマトリョーシカが置かれている。

 視力を失って50年余。院長の安松和男さん(69)の「楽器を弾きたい」という夢をかなえたのは、このマトリョーシカだった。

 出会いは今年の6月。

 安松さんが会長を務める浜松市視覚障害者福祉協会の講演会に、テルミン奏者の竹内正実さん(54)が出演した。

 テルミンは、ロシア生まれの電子楽器。箱形の本体から出た二つのアンテナに手を近づけたり遠ざけたりして音程と音量を調節し演奏する。

 「バイオリンみたい」

 竹内さんの演奏をはじめてきいた安松さんは、なめらかな優しい音に魅了された。

 「自分も演奏してみたい」

 50年近くくすぶっていた楽器への思いが再燃した。

 生まれた時から弱視で、15…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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