三島あずさ、阿部朋美、山下知子
東京都立高では、募集定員が男女別に設定されている。70年以上にわたって続く制度で、都道府県立高についてこの制度を維持しているのは東京都だけだ。性別によって入試の合格ラインが異なるため、問題視する声があがっている。
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「終わった」。都内に住む大学生1年生の女性は中3のとき、第1志望の都立高の志願倍率を見て、そう思ったという。
英語教育が充実し、女子の人気が高い学校。男子よりも女子の倍率が圧倒的に高かった。塾で説明を受けた際にも、女子の方が合格するための偏差値が高いと言われていた。男子よりも高い得点をとらないと受からないんだと思った。「男子だったらよかったのに」と涙が出た。
ただ、それが男女別定員制度によるものだとは知らなかった。「男女で偏差値が違うのは、当たり前」と思っていた。
結局、第1志望の都立高には合格することができなかった。得点の開示請求をして自分の点数を知った。自分の内申点で、男子だったら合格できたのではないか。そんな思いが頭をよぎった。
だが、合格最低点は開示され…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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