短期集中で感染者の増加を抑える――。3度目となる緊急事態宣言について、菅義偉首相はそう決意を語った。ただ、2週間余りとされた宣言の期間に、専門家からは効果を上げるには不十分との見方が相次ぐ。東京、大阪の2大都市圏を中心に広がる新型コロナの猛威を、今回の宣言で食い止めることが出来るのか。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅義偉首相は23日、3回目となる緊急事態宣言を出した。対象は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県となる。
今回、対策の柱としたのが人の流れの抑制だ。酒類やカラオケを提供する飲食店や大型施設などに休業を要請。要請の範囲は学校が休校になった1回目よりは狭いが、飲食店への営業時間の短縮要請が中心だった2回目よりは広くなった。だが、厳しい感染状況の中で「17日間」と期間は短く、どこまで効果があるのか専門家の間では懐疑的な声が多い。
内閣官房のまとめによると、21日時点で重症者用の病床の使用率は大阪84%、兵庫74%と、最も深刻なステージ4の「50%以上」を上回るなど、深刻な状態にある。東京は33%だが、予断を許さない状況だ。
政府の22日時点のまとめでは、ワクチン接種は医療従事者のうち2回目までを終えたのは、約84万9千人で、対象者の18%。12日に始まった高齢者で1回目を終えたのは約5万1千人と0・1%にとどまる。
さらに1、2回目の宣言と大きく異なる点がある。変異ウイルスという新たな脅威の存在だ。
「うまくいかなかったときのシナリオも準備を」
国内で広がる英国型の変異株…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment