三ツ木勝巳
溶接技術を競う2022年度の佐賀県女子溶接技術競技会の被覆アーク溶接部門で、県立嬉野高校機械科の武富あゆなさん(17)が優勝した。3月14日、通っている嬉野市塩田町の塩田校舎の溶接実習室で、磨き上げた技術を報道関係者に披露した。武富さんは「将来は溶接の仕事について、技術をレベルアップしたい」と話した。
県女子溶接技術競技会は、女性が活躍できる環境整備や技術の向上を目的に、県と県溶接協会が20年度から開催している。3回目となる22年度は、昨年11月19日、佐賀市鍋島町八戸溝の県工業技術センターであった。
被覆アーク溶接部門に6人、もう一つの炭酸ガスアーク部門に10人の計16人が出場した。高校生は2年(現在は3年)の武富さんだけだった。
溶接の外観のよさや、折り曲げた際の強度などが審査され、被覆アーク溶接部門は武富さんが優勝。前年に続く2回目の出場で栄冠を手にした。
3月14日の技術披露では、競技会と同じく、2枚の鉄板を並べて固定し、側面同士を溶接棒を使って溶かし、つなぎ合わせる作業を実演した。鉄が溶けるのは1600度近い高温。溶接作業用のマスクや手袋を着けた武富さんは、電流を調整し、青白い火花を飛ばしながら作業を進めた。溶接しては表面に浮き上がる不要物を取り除く作業を繰り返し、鉄板の間の溶接部分を3層に仕上げた。
元々ものづくりが好きだったという武富さんは、テレビで溶接する人を見て自分もやりたいと思い、今の高校を選んだという。「火花が出るのがおもしろかった。競技会の3カ月前から練習しました。高校生は1人だけだったので心細かったけど、優勝できてめちゃくちゃうれしい。上手にできたときはやりがいを感じます」と話した。(三ツ木勝巳)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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