大阪府寝屋川市の住宅街で3月、専門学校生の男性(20)に暴行を加えるなどして死亡させ、バッグを奪ったとして、大阪地検は28日、いずれも無職の19歳と18歳の男を強盗致死罪で起訴し、氏名を発表した。
4月に施行された改正少年法で18歳、19歳は特定少年と位置付けられ、その年齢時の犯罪で起訴された場合は実名報道が可能になった。検察は裁判員裁判対象事件を中心に実名を発表する方針で、今回が全国で2例目の実名発表とみられる。大阪地検の八沢健三郎次席検事は「改正少年法の趣旨及び国会での付帯決議の内容を踏まえ、本件は重大事案であり、地域社会に与える影響も深刻であることから、諸般の事情を考慮し公表することとした」とコメントを出した。
19歳の男の弁護人は25日に記者会見を開き、「社会復帰後の更生に影響がある」として、実名報道をしないよう報道各社に求めた。また28日には、「大阪地検が実名公表したのは極めて遺憾だ」とするコメントを出した。
起訴状によると2人は、既に強盗致死罪で起訴された2被告と共謀し、3月1日午後11時50分ごろ、寝屋川市楠根南町の美容室の敷地内で、専門学校生の男性の背中を刃物で刺すなどし、現金約13万円が入ったかばんなどを奪ったとされる。
府警は3月、専門学校生を刃物で刺したとされる19歳の男を強盗殺人、18歳の男を強盗致死の非行内容でそれぞれ大阪家裁に送致した。家裁は4月、19歳の男についても殺意を認めず、強盗致死で検察官送致(逆送)した。18歳の男も強盗致死で逆送した。
〈おことわり〉4月施行の改正少年法で、18、19歳の「特定少年」が事件を起こして起訴された場合は実名報道が可能になりました。今回の事件については、その内容と状況、少年法の理念を総合的に考慮し、匿名で報じます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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