荻野好弘
岐阜市の長良川で19日午後9時ごろ、長良川鵜飼(うかい)の観覧船「篝火丸(かがりびまる)」が下流に流されて座礁した。突風と豪雨によって操船が困難になり、乗っていた40代の男女2人が打撲などの軽傷を負った。岐阜北署が事故の原因を詳しく調べている。
鵜飼観覧船を運航する岐阜市は20日夕に記者会見し、状況を説明した。
それによると、同市の長良橋の上流付近に出ていた篝火丸(乗客17人、船長ら乗員2人)を含む3隻が航路を外れ、橋より下流に流された。2隻は左右の停船できる場所に着岸したが、篝火丸は1キロほど流され続け、浅瀬に乗り上げた。
市鵜飼観覧船事務所の山田哲司所長は「船長は20年ほど操船するベテランで、浅瀬に座礁させて船を止めたと話している」と説明した。
けがをした男女は台湾から来た夫婦だという。下流に流された3隻とは別に2隻が警備船に救助され、船員がさおが折れた際に手の指を負傷したという。
当時、計30隻の観覧船が運航し、617人の乗客がいた。長良川の水位は運航中止の基準を下回り、暴風警報も出ていなかったという。鵜飼開始から30分ほどたった午後8時ごろ、急な強風と豪雨が発生し、一部の船が流された。
市は20日の観覧船の運航を取りやめ、田川智史・ぎふ魅力づくり推進部長をトップとする事故調査委員会を設置。船長や船員から当時の状況を聞き取り、21日は安全対策の研修をするという。
21日も観覧船は運休。22日の再開を目指す。田川部長は「多くの方にご心配と迷惑をおかけした」と会見で陳謝した。(荻野好弘)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル