日本大学板橋病院をめぐる背任事件で、医療機器などの調達で約2億円の損害を日大に与えたとして背任罪に問われた医療コンサルタント会社代表・吉田徹也被告(51)の初公判が14日、東京地裁であった。吉田被告は「間違いない」と起訴内容を認めた。
同病院を舞台にした背任事件では、日大元理事・井ノ口忠男(65)、医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)前理事長・籔本雅巳(61)の両被告が2020~21年、①建て替え工事で2億2千万円の日大資金を籔本被告側に流出②医療機器と電子カルテ関連機器の取引で計約2億円上乗せした契約を日大に結ばせたとして起訴された。吉田被告は②の共犯として在宅起訴された。
検察側の冒頭陳述によると、井ノ口被告は医療機器などの調達経路に「業務を一切行わない」籔本被告側の会社を介在させて利益を得させようと計画。籔本被告に対し、半額は自身に還流させ、田中英寿・日大前理事長(75)にも現金を渡すよう指示したという。
医療コンサルの吉田被告は井ノ口被告の指示で、籔本被告側の会社を他の業者の間に紛れ込ませて目立たなくする調達経路や価格の設定を担った。電子カルテ関連では、本来は約2千万円だった価格を約2億円に水増しした虚偽の見積書を業者に作らせたという。
一連の取引で籔本被告側は計…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル