三宅範和
会場は野球場、踊り手はマスク着用で「ヤッショ、マカショ」の掛け声はなし――。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となった「山形花笠まつり」が5日夕から、2年ぶりに異例の態勢で始まった。7日まで。
例年は3日間通じて山形市中心街を練り歩くパレードが、市内の野球場「きらやかスタジアム」での演舞(5、6日)と、街中での小規模な演舞イベント(7日)に変更。参加団体の公募も取りやめ、主催者が指定した団体にしぼった。
その中で山形大学の運動部でコロナのクラスター(感染者集団)が発生し、同大学の花笠サークル四面楚歌(そか)が出演を辞退。踊り手は5日が4団体約330人、6日は5団体約350人になった。例年は1日当たり50~60団体、約5千人が参加していた。スタジアムの観客は、県内在住者限定で予約制とした。
参加団体一つ、花笠舞踊団の常任理事で踊りを披露した日本舞踊指導者の花柳優梓(ゆうあずさ)(本名・白岩貴子)さん(46)は「球場で踊ることを実現してくれた人たちに感謝したい。でも、伝統をつなぐためにも来年以降は街頭パレードが復活してほしい」。一塁側スタンドで観覧した山形市の60代の女性は「沿道からだと踊り手がすぐ行ってしまうが、じっくり踊り全体を見ることができて、これも良いと思った」と話した。(三宅範和)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル