頻発する災害に対応しながら、伝統を守っていく――。この6年で2度、大雨の被害に遭った福岡県東峰村の窯元が、そんな道を探っている。「ただでは起きない」という覚悟のもと、工夫を重ねながら復旧作業に向き合っている。
約400年の歴史がある高取焼宗家。初代八山が1600年に開き、2代目が窯を東峰村小石原鼓に移したとされる。釉薬(ゆうやく)の調合法などを一子相伝でつなぎ、今は13代目高取八山さん(62)と長男の春慶さん(33)がろくろを回す。
しかし今年7月、激しい雨で裏山が崩れ、川沿いにある登り窯の土台が壊れた。川の護岸も崩れ、そこを修復しないと土台を直せないが、護岸は村の担当だ。修復を待つ間も雨によって被害が広がり、いまにも屋根が落ちそうになっている。
「毎日、現在進行形でじわじわと壊れていく。見ていると拷問のようです」。八山さんの妻、七絵さん(60)は話す。
アカマツの大木をくりぬいて…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル