赤い列車がホームに滑りこみ、警笛の音がこだまする。ここは春間近の南アルプス。翡翠(ひすい)色の湖に浮かぶように、その駅はある。
赤い小さな列車が、南アルプスの山あいを縫うように進む。速度は自転車並み。ゴトゴトとよく揺れる。大井川の下流に位置する静岡県島田市を起点に、大井川鉄道に乗車すること計約2時間20分。湖の真ん中に突き出た岬で、列車が止まる。標高490メートルの「奥大井湖上駅」に到着した。春の陽光が降り注ぐエメラルドグリーンの湖面を、斜めに横切る赤い橋桁。高台から駅を見渡すと、心の疲れがちょっと癒やされた。
駅の近くに集落はなく、あるのはハイキングコースぐらい。なぜこんなところに駅があるのか。
後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や、会員登録すると応募できるプレゼントもあります。今回は地元の名産品です。
大井川鉄道は1931年に開…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル