2月に入り、中学入試が本格化してきました。受験に取り組む子どもに親はどう接すればいいのか。「中学入試頻出作家」とされる作家、朝比奈あすかさんは中学受験がテーマの小説「翼の翼」を昨年発表しました。2人の子どもを持つ親として臨んだ中学受験で感じたことについて聞きました。
2006年小説家デビュー。「君たちは今が世界(すべて)」は20年、開成など多数の中学入試で出題。近著は「翼の翼」。
――小説「翼の翼」では、中学受験に過熱していく親の心情を描いていますね。
「小説ですのでデフォルメした部分はありますが、ストーリーの元は、まさに私が子どもの受験に際して抱いた感情でした」
「それまでの自分の人生で、就活や仕事がうまくいかず、悩んだり動揺したりした局面は何度もありましたが、何とか折り合いをつけることができていました。しかし、我が子の中学受験は、初めて経験した『ままならないもの』でした」
――子どもはなかなか親の思い通りにはいかないものですよね。
「最初は、内申点などを気にせず中高一貫で伸び伸び過ごさせてあげたい、子どもの趣味をいかせる部活動のある学校を探したいと、『子どものため』に始めた中学受験のはずでした。それなのに気づけば、親の方が焦りや不安を一方的に募らせていました」
後半では、受験生の親として悔やんだ経験、塾の「功罪」、入試に出題された自分の小説に込めた思いについて語ります。
「『翼の翼』には子どものテ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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