2週間以上長引けば要注意!秋に多い咳、その正体は?(ウェザーニュース)

 涼しくなり過ごしやすくなったこの頃、咳がよく出るようなことはありませんか? 風邪かなと思うかもしれませんが、2週間以上長引くと、隠れた病気が原因かもしれません。

咳ってどうして出るの?

 なぜ咳が出るのでしょうか。

 「人が生きていくのに呼吸は欠かせません。そのため、呼吸するときの空気の通り道になる気管や気管支、のど、鼻などに異常があると咳中枢が指令を出して、異物を取り除こうと肺の周りにある呼吸筋が収縮して咳が出るのです」というのは、横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長です。

 咳は、痰を伴う咳と痰を伴わない咳に分けることがあります。

 「痰を伴う湿性咳嗽(がいそう)は細菌感染の疑いがあり、多くは発熱します。痰を伴わない乾性咳嗽は細菌感染がなく、次に述べる咳ぜんそくのようなアレルギー性のことが多いです。風邪やインフルエンザは通常、安静にしていれば免疫力が働いて1週間ほどで治るので、2週間以上続く咳は別の原因が考えられます」(吉田院長)

花粉や冷たい空気でも起こる咳ぜんそく

 「長引く咳で最近増えているのが咳ぜんそくで、気道の粘膜に炎症が起こっている状態です。風邪がきっかけになることが多く、ダニなどを含むホコリ、冷たい空気、ブタクサやヨモギなど秋に飛ぶ花粉など、ちょっとした刺激で激しい咳が出て、なかなか止まらなくなることがあります」(吉田院長)

 咳ぜんそくは放っておくと3人に1人は気管支ぜんそくに移行し、肺の機能も低下するので、専門医の診断と治療を受ける必要があるといいます。

ただいま流行中の百日咳

 「百日咳も咳が長引きます。最近は子どもだけでなく大人もかかります。昨年の夏頃から流行が続いていて、風邪に似た症状で始まり、やがて激しい咳発作が2~3週間続き、その後はしだいに発作がおさまります。最初の咳の症状から咳が出なくなるまで3ヵ月はかかるため百日咳と呼ばれています」(吉田院長)

 百日咳は百日咳菌による感染症なので、抗生物質によって治療できますが、マスクを着用して他人への感染を防ぎ、ホコリや冷たい風を防いで症状の悪化を防ぐ必要があります。

重篤な病気もあるので呼吸器科を受診

 「咳の原因はさまざまです。なかには、肺がん、結核、間質性肺炎(かんしつせいはいえん)、心不全など重篤(じゅうとく)な病気も咳症状から発見されることがあります。病院では、問診、聴診器での肺の雑音、肺機能検査、血液検査、レントゲン撮影、CT検査などで咳が出る原因を探ります」(吉田院長)

 「たかが咳」とあなどれないこともあるようです。咳が続くようなら、まず病院の呼吸器科で診てもらってください。

ウェザーニュース

【関連記事】


Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment