すみれForever:10
宝塚歌劇の美、そして娘役の美。20年、その美学を追求してきた、元花組娘役の花野じゅりあさん。昨年4月の退団後は、メイクの専門学校に通い、新たな道を模索しています。メイクにかける思いとは。
宝塚歌劇団OGのみなさんが、次の人を指名しながらリレー形式で登場するインタビュー企画。今回は、元宙組トップ娘役の陽月華さんから、花野さんへ
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昨夏からメイクの専門学校に通っています。
退団後、外部の舞台に出演される方はたくさんいらっしゃいますが、私自身は宝塚で、娘役で20年、追求してきたその美学をいかせることがしたくて。メイク、ヘア、ファッション……様々ある中で、その美学が一番いかせるのはメイクかなと考えました。
仕事としてやるには知らないことが多くて、一から勉強しよう、と。宝塚のメイクは、いわゆるデザインメイク。特殊な世界観の中で、メイクも誇張したものになる。今は、普段着のメイク、リアルな生活のなかで美しく見えるためにはどうするのか、を学んでいます。ビューティー雑誌に載るようなメイクからアーティスティックなものまでが対象。学校内の生徒同士でメイクすることはありますが、まだ外の仕事はしていません。
ゆくゆくは、これまで自分が磨いてきた美学をいかしながら、誰かを美しくしたり、自分のメイクを通して作品を作ったりしたいですね。
拡大する花野じゅりあ=2019年12月、東京都中央区築地、外山俊樹撮影
――在団中からメイクへの関心は高かった
下級生の頃から、メイクはもちろん、アクセサリーやヘアにすごく関心あるタイプで。同期や下級生のメイクなんかも、やることもありました。
メイクは、その公演、その日からすぐに変われるんです。歌や芝居や踊りは無理でも。宝塚の舞台化粧は教科書がないので、ほぼ同じメイク用品を使っていても、みんなそれぞれやり方は違う。どれだけ研究心を持てるのか、数ミリ変えるだけでも見え方がまったく変わるです。
いちばん大事なのは、全体のバ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル