20歳技能実習生、初めての誕生会に涙 受け入れ側が願う未来の幸せ

【動画】計900万回近く再生された技能実習生をサプライズで祝う動画=日塗建提供

 外国人が日本で学んだ技能を母国に持ち帰ることを目的とした「技能実習制度」。30年続いた制度は廃止され、この秋にも新制度の創設に向けた議論が本格化する見通しだ。現行制度にはどんな問題があったのか。実習生が働く現場を訪ねた。

 津市の塗装会社「日塗建」が今年1月に投稿した1本の動画が、SNSで大きな反響を生んだ。これまでに計900万回近く再生されている。

 「主役」はカンボジア出身の実習生ポット・ソチアットさん(20)。仕事を終えて事務所に戻ると、山盛りのハンバーグとチキンライスが目の前に出てきた。皿と箸を握りしめ、涙ぐんだ。サプライズの誕生会だった。「初めてです」。カンボジアでは誕生会を開けるのは裕福な家庭だけなのだという。

 同じカンボジア出身の実習生ニン・ソコットさん(21)も、4月に初めて誕生日を祝ってもらった。常務の吉田美香さん(54)は「日本人とか外国人とか関係なく、一従業員として祝っただけです」と話す。

「実習生の両親に安心してもらいたかった」

 受け入れ側が実習生を「安価な労働力」としかみなさず、「一人の人間」として尊重していない――。技能実習制度が廃止される方針が示された背景には、国内外からこんな批判が絶えなかったことがある。

 だが、吉田さんはこう考えて…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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