2020年、日本外交最大のポイントは日中関係!?(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。1月6日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、国際ジャーナリストの高橋浩祐さんが“2020年の日本の外交”について見解を述べました。

◆2020年の日本外交におけるポイントは日中関係

まず1月11日に控えているのが台湾の総統選。現状、中国との対決路線を強める蔡英文氏が有力視されていますが、圧勝の場合「香港デモも絡み、中国に対し厳しめの政権がまた力を付けていく」と高橋さんは言います。

1月中旬には安倍首相の中東歴訪が予定されていますが、今の情勢を考えるとどうなるかわからないとか。しかし、もし歴訪が決定した場合は中東関係に対する日本のスタンスを明示しなければならないだけに、MCの堀潤は「今までのように『仲介役を』と言っているほど、楽観はできない」と述べます。

2月には護衛艦たかなみの中東派遣もあります。緊張高まるホルムズ海峡を避け、オマーン湾などに派遣する予定で、余談を許さない状況だけに高橋さんも注目しているそう。

また、韓国の元徴用工訴訟問題に関し、早ければ2月にも日本企業の資産現金化がなされます。12月に1年3ヵ月ぶりの日韓首脳会談が行われ、対話ムードが生まれたものの、もしこの動きが出れば台無しになると高橋さんは指摘。さらには、「また日本も厳しい対応をとらざるを得ない」と言及します。

そして、「2020年の日本外交の一番大きなイベント」と語るのが4月、中国・習近平主席の国賓来日です。米中関係が悪化しているだけに、アメリカの牽制が予想されますが、高橋さんの経験上、日米関係が良好の場合、中国は日本に歩み寄る傾向があるそう。香港デモやウイグル問題などさまざまな問題があるなか、日本がどんな対応をとるのか高橋さんも注視し、「1972年の日中共同声明のような、日中新時代を表すような文書化できるのかどうかにある」と要点を述べます。

◆海洋国家と大陸国家によるせめぎ合い

日中関係にも繋がる、国際関係で今一番の問題と高橋さんが指摘するのが「大陸国家と海洋国家のせめぎ合い」。

日本を含め海洋国家であるアメリカやオーストラリアは、現在ともに「インド太平洋戦略」を進めています。一方、大陸国家は中国を中心にロシアや一部のヨーロッパ諸国と「一帯一路」で繋がりを深めているそう。

そんななか、今微妙な立場にあるのが朝鮮半島。なかでも韓国は「北朝鮮と分断されているから大陸国家に見えて、実は陸の孤島」と高橋さん。しかも、文政権は北朝鮮と仲良くし、大陸国家になろうとしているもののその関係も微妙。ただ、高橋さん曰く、韓国は徐々に中国に吸収されているそうで、「日本はそうしたなかで中国とどのようにしていくのか……」と案じます。

また、中東情勢も大きく動き始めています。そのなかでイランも大陸国家であり、実はインドもそうなんだとか。「インドは今ロシアとも仲がいい。インド太平洋戦略に巻き込まれているけれど、インドもしたたか」といぶかしむ高橋さん。さらには、海洋国家であるイギリスもインド太平洋戦略に介入しており、「世界は今せめぎ合いになってきている」と改めて主張。

最後に、日本外交の肝となる日中関係について高橋さんは「関与とヘッジ」がキーになると言います。貿易や投資を一緒に行い“関与”する一方で、“ヘッジ”として軍事力の重要性を示唆。そうなると憲法改正議論も関わってきますが、高橋さんは安倍首相が進めているようなアメリカ追従ではなく、「日本の自主・独立に果たすような憲法9条の改正ならいい」と話していました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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