去年6月、東海道新幹線の車内で乗客3人を死傷させ、殺人などの罪に問われている小島一朗被告(23)の裁判員裁判が11月28日から始まり、小島被告は「倒れている人を見事に殺しきりました」などと述べ、起訴内容を認めました。
犯罪心理に詳しい東京未来大学こども心理学部長の出口保行教授によると、この「倒れている人を見事に殺しきりました」という言葉には、「社会の中で、弱者扱いされていた自分がこんな大きなことをやり遂げたというゆがんだ自己顕示欲のあらわれ」ではないかといいます。
さらに、逮捕直後「誰でもいいから殺そうと思っていた」と供述していましたが、出口教授は、「初公判では開き直っている発言になっていて、犯行から時間がたって、自分の起こした事件の大きさを知ることで興奮がさらに増している状況」だと分析しています。
新幹線“見慣れた光景”に変化
このような事件を二度と起こさないように、この事件を受けて、JR東海では新たな対策が進められています。
まずは、新幹線の警備員の体制を強化。警備員の数を増やしており、今年5月に全列車で警備員が同乗できる態勢を整えたということです。
さらに、70年以上前に作られた車内への「持ち込み品禁止」のルールが、今年4月に改正されました。
追加されたのが「包丁類・ナイフ類・なた・鎌・はさみ・のこぎり」などで、これまで具体性がなかったものを明確化したものになっています。
ただし、「危害を及ぼすおそれがないように梱包(こんぽう)されたものは除く」というルールになっています。
そして、東京オリンピックに向けて新しいセキュリティーシステムが来年から導入されるそうです。
JR東海によると、新幹線車内の非常ボタンが押されると、防犯カメラの映像を東京にある指令所に自動転送され、指令所から直接車内の乗客向けに車内放送ができるというシステムです。
これで不測の事態に、より迅速に対応しようとしています。
“持ち込みをさせないこと”、“さらなる被害を防ぐ”など取り組みが行われ、私たちの命を守る対策は少しずつ進んでいます。
中京テレビNEWS
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