近畿大(大阪府東大阪市)は、起業をめざす学生らが24時間使える拠点施設を東大阪キャンパス近くにオープンした。近年、急増する大学発ベンチャー。創立当初から「実学教育」を掲げてきた近大は、2025年までに100社という数値目標を掲げ、学生の背中を押す。
新設した施設は「キンキュバ・ベースキャンプ」。キンキュバは、近大の全学的な起業支援プログラムで、大学の名と起業支援を意味する「インキュベーション」にちなむ。
キャンパスの門前、学生らでにぎわう商店街の端に位置する2階建て。ガレージのような武骨なデザインだ。世耕石弘・経営戦略本部長は「ここにずっと居たいと思わないよう、あえて居心地を少し悪くしている」と話す。
起業をめざす学生らが交流できるだけでなく、法人登記の際に住所として登録することもできる。イベントスペースもあり、起業を志す学生らの団体「起業ナビ」などがセミナーなどを開催する。
開所した10月20日には、オープニングイベント「近大の虎」を開催。往年のテレビ番組「マネーの虎」を模した企画で、学生がビジネスプランを発表。実業家の審査員らが「それ、何か新しいんですか」「使う側には何のメリットが?」などと厳しく突っ込んだ。
大学発ベンチャーは、研究成果による特許や技術を生かした「研究成果ベンチャー」、現役学生による「学生ベンチャー」などが含まれる。経済産業省の調査によると、21年度は全国3306社で、この30年で50倍以上に増えた。
近大は1949年の設立当初…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル