佐々木洋輔
男子プロバレーボールVリーグ1部(V1)のヴォレアス北海道(本拠地・旭川市)が28日、旭川市リアルター夢りんご体育館(市総合体育館)でホーム開幕戦を迎えた。3季越しの悲願のV1昇格後、初の凱旋(がいせん)試合。V1初勝利はお預けとなったが、詰めかけた大勢のファンとV1参入の喜びを分かち合った。
V1は10月14日に開幕。連敗中のヴォレアスは強豪の東京グレートベアーズ(東京GB)をホームに迎えた。第1、第2セットは19―25、18―25で落とした。第3セットはキャプテン張育陞(チャンユーシェン)選手のスパイクが決まり始めたが、22―25で競り負けた。
試合後、選手たちはファンと記念撮影やハイタッチで交流した。会見で張選手は「ホーム開幕戦で勝利を届けたかった」。エド・クライン監督は「すぐにV1で優勝できるわけではない。いまはV1のレベルに適応することにフォーカスしたい」と話した。
この日は、過去最高となる約1800人の来場者を記録。チームで唯一、旭川市出身の外崎航平選手は「バレーを始めた小学生のころ、旭川でこんな舞台は考えられなかった。V1での活躍が子どもたちの夢につながれば幸せ」と話した。
会場では、この夏、世界U19男子選手権に出場した旭川工高バレー部の松井陽輝さん(3年)も観戦。「バレーの魅力は個人技よりチームの協力。連係プレーは参考になる」と、201センチの体を前のめりにして試合に見入った。「地元チームがV1に昇格して、自分もがんばろうと励みになった。将来はこの舞台に立って、海外でも通用する選手になりたい」。
男子バレーは先月、日本代表がパリ五輪の出場権を獲得したばかり。東京GBの柳田将洋選手は「バレー界はいま追い風だ。今日のお客さんがまた来場してくれることが大事。代表の活躍とVリーグが結びついていないという声があるが、Vリーグ観戦が週末の日常になるように、バレー界全体で盛り上げていきたい」と話した。
ヴォレアスは2016年に設立。V2に昇格した19―20年シーズンは、V1入れ替え戦に挑戦できる2位以内が確定したが、コロナ禍で入れ替え戦が中止。20―21年は準優勝、21―22年は初優勝を果たしたが、いずれも入れ替え戦で及ばなかった。昨季はV2を連覇して入れ替え戦も勝ち上がり、道内チームで初のV1昇格を果たした。ヴォレアスのチーム名はギリシャ神話の北風の神「ボレアス」に由来している。(佐々木洋輔)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル