全国の自治体で「多様性の尊重」をめざす条例の導入が相次いでいます。
ですが、そもそも「多様性」って何でしょうか。認め合うためにはどうすればいいのでしょうか。
千葉県議会でも同種の条例案が審議中です。1歳の時に、全身の筋力が低下していく先天性の難病・脊髄(せきずい)性筋萎縮症と診断され、現在は東京大学大学院に通う愼允翼(しん・ゆ・に)さん(27)に話を聞きました。
理解するとは、一つ一つ対処していくこと
多様性を理解するとはどういうことか。自分の経験から伝えたいと思います。私は3歳の時、地元の千葉県船橋市から電動車いすを支給されました。
厚生労働省の通知では現在でも、原則学齢児以上が支給対象ですが、病院で車いすに試乗して子どもたちと遊んでいる私の様子を見て、市の担当者が考えを変えたのです。「この子の成長には電動車いすが欠かせない」と思ってくれた。
似たようなことは、高校受験の時もありました。志望した県内のある難関私立校からは「受けないでください」と言われました。県立高校の受験相談では「受験時の配慮は認められない」と伝えられた。
しかし、国立の筑波大付属高校は受験時間を1.5倍にするなどの決定をしており、そのように県立高校側に伝えると判断が変わった。結局、県立校に入学できました。
人間だから間違えることはあるし、思考停止になることもある。その時に「それは駄目ですよ」と言ってくれるツッコミが必要です。そして一つ一つ自分の目で見て、考えて、対処していくしかないのです。多様性を理解するとはそういうことだと考えます。
■多様性を認めるには覚悟と責…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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