3歳児やけど虐待死、「リスク過小評価」 有識者が市の対応を批判

 大阪府摂津市で昨年8月に3歳男児が全身やけどで死亡し、母親の交際相手が殺人罪などで起訴された事件で、行政の対応の経緯を検証する府の有識者部会が31日、報告書を公表した。虐待についての市のリスク判断の甘さや、虐待対応の体制の不十分さを指摘した。

 報告書によると、死亡した新村桜利斗(おりと)ちゃんは1歳だった2019年5月以降、頭やほおのけがが相次ぎ、母親は原因を明確に説明できなかったが、市は「ネグレクト育児放棄)・中度」のリスク評価を続けた。昨年5月には母親が「交際相手が子どものほおをたたいた」と市に説明。同6月には関係者から交際相手らの虐待を疑う通報もあったが、市は個別ケースについて関係機関で協議する会議を開かなかった。

 報告書は市の対応について、「リスクの過小評価」と指摘し、状況の変化に応じ、リスクの度合いを上げたり、個別ケース検討会議を開いたりすべきだったとした。さらに、市の担当が経験年数の浅い職員が多いことなどから、虐待対応の体制が「十分に機能するのが難しかった」とした。

 報告書を受け、市は31日…

この記事は有料会員記事です。残り127文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment