大阪府摂津市のマンションで男児(3)に高温の湯を浴びせて死なせたとして、大阪府警は22日、男児の母親の交際相手で無職の松原拓海(たくみ)容疑者(23)=羽曳野市南古市2丁目=を殺人容疑で逮捕し、発表した。「(高温の湯を)故意に浴びせていません」と容疑を否認しているという。
捜査1課によると、松原容疑者は8月31日午後、摂津市鳥飼本町5丁目のマンションの一室で、交際相手の女性の長男、新村(にいむら)桜利斗(おりと)ちゃんに高温の湯を浴びせるなどの暴行を加え、全身やけどに伴う熱傷性ショックで殺害した疑いがある。
同課や摂津市消防本部によると、31日午後4時50分ごろ、松原容疑者が「浴室内で男児の意識がない」と119番通報した。
救急隊員が駆けつけたところ、桜利斗ちゃんはリビングで倒れていた。すでに心肺停止状態で、頭から上半身にかけて皮膚がただれており、約1時間20分後に搬送先の病院で死亡したという。当時、母親は外出中だったとみられる。
松原容疑者は逮捕前、府警の事情聴取に対し、「お湯の温度を徐々に上げて(桜利斗ちゃんと)遊んでいた」と説明したという。
捜査1課によると、松原容疑者と桜利斗ちゃんの母親は昨年10月ごろから交際を始め、今年5月から摂津市内のマンションで同居していたという。
松原容疑者は今月7日、朝日新聞の取材に「今は何も言えない」と答えた。
母親の知人女性によると、母親と松原容疑者が交際を始めたころから桜利斗ちゃんが通っていた保育所を休む回数が増え、今年4月ごろには、桜利斗ちゃんの頰に手でたたかれたような痕を見たという。女性が理由を尋ねると母親は「彼氏がたたいた。ばれたらあかんから、保育所は休ませている」と話したという。
摂津市によると、母親は今年5月、市の担当者に「(松原容疑者が)手を上げて(桜利斗ちゃんに)あざができてしまった」と相談したという。
担当者は母親と松原容疑者と面談して「決して手を上げないで」と諭し、松原容疑者は「わかりました」とうなずいたという。
知人女性も6月に桜利斗ちゃんが虐待を受けていると市に連絡した。直後に市の担当者が母親に「変わったことはないか」と尋ねたが、虐待の話は出なかったという。
桜利斗ちゃんと母親が住んでいたマンション近くに住む女性は桜利斗ちゃんが死亡した日、担架で運ばれる姿を見た。「口に酸素を吸入するポンプのようなものがつながれ、上半身が赤くなっているのが見えた」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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