屋代良樹
熊本県宇城市不知火町御領で2月、3歳の長男に暴行し死亡させたとして傷害致死の罪に問われた斎藤悠紀被告(28)の裁判員裁判の判決が10日、熊本地裁であった。平島正道裁判長は、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。
判決によると、斎藤被告は2月3日、自宅で長男が排便したり泣いたりしたことに腹を立て、腹部に右手を1回押し当てて後頭部を床に打ちつけ、急性硬膜下血腫による脳機能障害で翌日に死亡させた。斎藤被告は育児や家事の負担に疲弊して体調を崩し、長男の障害による頻繁な下痢などで、いらだちとストレスを感じるようになっていた。
検察の冒頭陳述などによると、斎藤被告は2019年7月に離婚し、トラック運転手の仕事をしながら実母などの援助を得て3~5歳の3人の子を育てていた。被告人質問で、斎藤被告は過去にも育児で子どもに手をあげたことがあると明かした。自ら児童相談所を訪れたこともあり、自身の精神状態について「おかしいと感じた」と話した。公判で起訴内容を認め、「後悔しかない」と述べた。
量刑について平島裁判長は「いらだちを押さえられず、乱暴で短絡的な犯行」と指摘した一方で、「被告人に対する支援などがもう少し行き届いていたなら、本件は起きなかった可能性がある」とも述べた。
判決を言い渡した後、平島裁判長は斎藤被告に「これからは自分と残った子どもたちのために、自分に何が足りなかったのかを考えて行動しなさい」と話した。(屋代良樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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