30年越し、甲子園アルプスで見た成長 「親戚のおっちゃん」として

 滋賀県立淡海(たんかい)学園(甲賀市土山町)にある夫婦寮の寮母、佐伯香菜さん(41)が、先輩として慕う人がいる。7年前までの30年間、学園で夫婦寮を運営した元職員の吉川康之さん(61)だ。

 吉川さんは昨夏、学園の卒業生と阪神甲子園球場のアルプス席で、ある選手を応援していた。寮長として送り出した卒業生の息子が、甲子園に出場したのだった。

 30年近く前。中学の野球チームで活躍したが、生活が荒れ、淡海学園に入所した生徒だった。その後、学園の野球部監督だった吉川さんのもと、施設の全国大会で優勝の原動力になってくれた。

 卒業から月日を経ても、息子を連れて練習に来たり、息子の活躍をうれしそうに報告してくれたり。そんな卒業生たちとの縁は、かけがえのない喜びでもある。

 吉川さんは、妻の正美さん(59)とともに夫婦寮を営んだ後、昨年、定年退職した。夫婦で送り出した子どもは150人を超える。

 卒業後も、家族ぐるみの関係は続く。高校の卒業式や結婚式にも呼ばれる。「関係はずっと続くよ、という気持ちで送り出している。遠くにいる親戚のおっちゃん、おばちゃんのような存在として出迎えます」

フロントガラスにパチンコ玉

 大学で福祉を学んだ吉川さん…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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