二酸化炭素(CO2)排出権を巡り、うその取引を持ちかけて現金をだまし取ったとして、福岡県警は25日、詐欺の疑いで、東京都新宿区の投資会社「ノレーヴ」社長の中島正義容疑者(47)ら男6人を逮捕した。県警は、同社が福岡や佐賀など1府10県で約300人から約16億7千万円を集めていたとみて調べる。
他に逮捕されたのは、いずれも同社福岡支店の支店長ら5容疑者。
逮捕容疑は2015年6月~18年7月、山口県の女性(67)に「香港の会社を通じて、ヨーロッパの市場で排出権を取引している」「みんなもうかっている」とうその説明をし、保証金名目で現金約920万円をだまし取った疑い。認否を明らかにしていない。
県警によると、ノレーヴ社は排出権取引の実態がなく、集めた金は経費や人件費に充てていた。当時福岡支店の3人が電話帳を使って高齢の自営業者らを中心に勧誘し、自宅を訪問することもあった。帳簿などから、11年1月から1人当たり50万~2億1300万円を集めたとみられる。被害者の半数は福岡在住という。
排出権取引では、温室効果ガスの排出量を削減するため、国や企業間でCO2排出権を売買する。欧州などでは取引市場があるが、日本では排出権取引制度自体ない。
西日本新聞社
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