ソーメン100円、ショウガ焼き定食350円、金曜は「感謝デー」でシーフードカレーの大盛りが300円で食べられる。77歳のかっちゃ(お母さん)が1人で切り盛りする食堂は、コロナ禍で客が減る一方、光熱費に加え、野菜に調味料まで高くなるなか、値上げするつもりはないという。どうしてやっていけるのか。
JR青森駅のほど近く、古い店が並ぶいろは通りに「総菜田中」はある。店の中は薄暗く、ちょっと入りにくい雰囲気だが、「がんばるあなたに応援」と書かれた札に背中を押される。
「はい、いらっしゃい」。4坪足らずの小さな店の奥で、フライパンを振っていた店主の田中剛子(つよこ)さんが目でうなずいた。座席は9席。客はテーブルに並べられた大皿から、日替わりの総菜を選ぶ。350円も出せばおなかいっぱいという人が多い。
「値上げするつもりはありません」。かっちゃはそう言い切ります。記事の後半では、その秘密と言葉の裏にある思いを伝えます。
田中さんは蓬田村の自宅から…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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