35年ぶりに千葉市で絶滅したとされるキツネを発見? NPOが撮影

千葉市の製造・流通団地予定地に絶滅生物のキツネが生息?

 千葉市緑区の谷地にある田んぼ「谷津田」で、NPO法人が市の消息不明・絶滅生物に選定されているキツネとみられる動物を確認した。この地域は環境省の「生物多様性保存上重要な里地里山(重要里地里山)」にも選ばれているが開発などの規制はないため、周辺の山林では工業・流通団地の造成が計画されている。

 生息を確認したのは、同市緑区下大和田町にある谷津田の保全活動をしているNPO法人ちば環境情報センター。外来種のアライグマ駆除のため監視カメラを設置し、昨年末以降にキツネとみられる動物を複数回、撮影した。

 同法人が千葉県立中央博物館と県生物多様性センターに動画を分析してもらったところ、耳や尾の特徴からアカギツネとみられると回答があった。アカギツネは北半球に広く分布し、その亜種であるホンドギツネの可能性が高いという。

 キツネは草原を好み、県内では船橋市、白井市、印西市にまたがる千葉ニュータウン内で生息の報告例があるが、都市部では戦後から姿が見られなくなった。県は重要保護生物に指定し、千葉市で確認されたのは1988年が最後で、市レッドリストで消息不明・絶滅生物に選定している。

 同法人は97年からこの谷津田で自然体験や観察会を開催。周辺は昔ながらの小川が残り、山林と農地が一体となった自然が維持されている。環境省の「重要里地里山」にも選定され、キツネのほか、消息不明・絶滅生物に選定されているアナグマ(最終確認は84年)も今回撮影された。

周辺で製造・流通団地の開発計画

 一方で、谷津田を含めた周辺…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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