鹿児島大などの研究グループが、群馬県内で見つかったチョウの化石が新種であったと報告した。国内で新種のチョウの化石が確認されたのは初めて。化石は約350万年前の「鮮新世」のもので、この時代の新種のチョウ化石は世界初でもあるという。
鹿児島大の坂巻祥孝教授と慶応幼稚舎の相場博明教諭が調べた。化石は約40年前、群馬県南牧村の山中で大学生が卒業論文を執筆するため採集していたもの。当時の顕微鏡では解像度が足りず、同定できなかったという。
研究チームでは最新の高解像度顕微鏡を使い、これまで判別できなかった羽の脈や触角などの形を詳しく分析。鱗粉(りんぷん)が残っていることも分かり、新種であると証明できたとしている。
チョウはタテハチョウ科ミスジチョウ属。羽を広げた幅は32ミリ。研究チームは「チョウは体が軽いため水中に沈みにくく、化石になりにくい。進化を知る手がかりになる」と話している。化石は近く、群馬県立自然史博物館に寄贈される。(伊藤隆太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル