36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人など五つの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の判決が25日、京都地裁であった。増田啓祐裁判長は「人命の尊さを全く顧みず、36人の生命を奪い、34人を死の危険にさらした罪責は極めて重い」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。
最大の争点だった刑事責任能力について、判決は完全責任能力を認め、心神喪失、または心神耗弱だったとする弁護側の主張を退けた。
判決は、青葉被告が10年以上にわたり、「闇の人物の監視」「京アニによる小説のアイデア盗用」などの様々な妄想があったと指摘。自身が近隣との騒音トラブルに悩み、訪問看護を断るなどして周囲から孤立していく一方、成長を続ける京アニへの恨みを募らせたとし、妄想が犯行の動機に影響したと認定した。
一方、放火殺人という手段を選んだ点は、青葉被告の攻撃的な性格が影響していると判断。08年の東京・秋葉原の無差別殺傷事件の元死刑囚に対し、幼少期の虐待や派遣切りの経験が似ている点で共感し、ガソリンを使った過去の殺人事件を参考にした点を重視し、「被告自身の考え方や知識から選択しており、妄想の影響はほとんど見られない」と述べた。
放火殺人を考え始めてから実…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル