外国から日本に来ている人たちが困っていること、そのすべてを解決しようと立ち上がった。それが「YOLO(ヨロ) JAPAN(ジャパン)」のCEO(最高経営責任者)加地太祐(たいすけ)さん(45)だ。「ボクは一度死んだ」という思いが、外国人との共生に尽くす覚悟の源なのだとか。まずは写真をごらん下さい。
――ゾンビたちに囲まれて楽しそうですね。
「とある古びたガレージで凄惨(せいさん)な事件がありました。そのガレージで起こる様々な怪奇現象に、あなたは耐えられますか? そんな『ドライブインお化け屋敷』を、3月から土日限定でしています。お客さんは止めてある車に乗るだけですが、来るぞ、来るぞ、と分かっていても怖いですよ~」
――ゾンビに扮しているのは外国人の方々ですね。
「留学などで日本に来ている人のバイト先って、飲食店やコンビニが多いのですが、コロナ禍で飲食の仕事がなくなってしまい、日常生活に困っている。そこで、非日常的でおもしろい仕事をしてもらおうと考えました」
「『ゾンビ・パフォーマー、時給千円から』とネットで求人するとSNSですごく拡散しました。楽しく働きたいと思う気持ちは人類共通。15人ほど採用しました」
――不動産の賃貸契約、銀行口座の開設や後払いができるカード作成、就職の支援。取り組んでいる外国人支援サービスを挙げて説明すると、この欄からあふれます。
「外国人が日本で暮らすのにいちばん必要なもの、それは日本での信用です。たとえば、部屋を借りたい人に『外国人だからおことわり』と言うのは、偏見、差別であり許されないことです。でも、現実には、それが横行している。そこで、まずはわが社が知っている外国人歓迎の不動産会社を紹介します」
「けれど、それだけでは何の解決にもならない。そこで信用の源ともいえる収入をつくるため、弊社が運営するメディアで600件を超える求人を掲載しています。これからも信用度を高める取り組みを一つ一つすすめ、日本から偏見、差別をなくしたい」
「英語、ベトナム語、中国語など六つの言語で病院予約ができたり、オンライン診療の通訳サービスもしたりしています」
――あなた、何者ですか?
後半では、加地さんが外国人支援をはじめることになったきっかけや、38歳でおとずれた「運命の日」について聞きます。
「大阪市に生まれ、小学生の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル