4丁の銃所持、危険性を把握できず 長野立てこもり事件が問う銃規制

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前田健汰 福岡龍一郎 三井新

 長野県中野市の4人殺害事件で、自宅に立てこもった後に逮捕された青木政憲容疑者(31)は県公安委員会の許可を得て銃を所持し、事件で使った。県警や周囲は危険性を把握していなかった。銃による犯罪は繰り返されており、規制のあり方が問われている。

 「銃持ってます」「遠くに行って鳥を撃ったりするんです」

 青木容疑者が所属していた祭りの保存会の高木幸大さん(45)は8年ほど前、青木容疑者がこう話していたことを覚えている。酒の席で口数が少ない青木容疑者が、狩猟の話題になったとき珍しく切り出した話だった。少し口調がうわずっていたという。

 青木容疑者は10年ほど前、大学を中退して地元に戻ってきた。捜査関係者によると、中野市議会議長だった父親の正道さん(57)の県警への説明では、青木容疑者は正道さんの勧めで農業を始めたが、沈みがちな状態が続いていた。その中で青木容疑者は「銃が欲しい」と求め、正道さんは買い与えたという。

 県警によると、青木容疑者は2015年1月、散弾銃の許可を得た。続けて17年10月に散弾銃と空気銃、19年2月に猟銃の許可を得た。所持目的は「狩猟」やクレー射撃などの「標的射撃」と届け出ていた。

「何を目的に所持していたのか…」 所属する猟友会幹部も存在知らず

 青木容疑者は、広域の猟友会には所属していたが、有害鳥獣駆除を担う市町村単位の猟友会には所属しておらず、駆除をする立場にはなかった。高木さんは「害獣を撃つわけでもなく、使う目的が限定されていない感じがした」と振り返る。

 青木容疑者の実家の近くに住…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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