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地球環境を考える「アースデイ」の4月22日、日本は全国的に晴れ間に恵まれ、気温が上昇。東京では計8地点で今年最高の気温となり、江戸川区では26・2度と、4月としては観測史上最高を記録した。以前は4月の夏日は珍しかったような気もするが、実際はどうなのか。地球温暖化と関係あるのか。
気象庁のウェブサイトから、1876年から今年4月21日までのデータをダウンロード。東京で記録された4月の最高気温を調べた。
長期的な変化が一目でわかるよう、4月のそれぞれの日の最高気温をヒートマップで示したのがグラフ1。横軸は年で、縦軸は日付を示している。20度を境目にして、それより気温が高ければ赤っぽく、低ければ青っぽく見えるようにした。データが欠損している日は濃い灰色で示されている。
すると、グラフの右側に行くほど赤っぽいマス目が多くなり、現在に近づくにつれて気温が高めの日が増えているのが確認できた。
最高気温が25度を超える「夏日」がどれだけあったかを調べたのがグラフ2だ。1949年までの74年間では計32日で、年平均0・4回しかなかったのに対し、1950年以降の72年間では81回あり、同1・1回と3倍近くに増えていた。
2018年には9回、1998年にも6回の夏日があった。頻度が上がっていることがグラフから見て取れる。
暑くなっているのは地球温暖化のせいなのか。
異常気象に詳しい国立環境研究所の塩竈秀夫・地球システムリスク解析研究室長は「100%地球温暖化のせいだとは言えない」と指摘する。人間の行為にかかわらず、猛暑や干ばつなどの異常気象は起きるからだ。
ただ、コンピューターを用いたシミュレーションでは、温暖化すると暑くなる確率は高まることから、猛暑が起こりやすくなるとは言えるという。2019年に発表した論文では、前年にあった記録的な猛暑は、温暖化がないと起こる可能性はほぼゼロだと推定した。
塩竈室長は「温暖化と異常気象の関係性が徐々に分かってきた今、温室効果ガスの排出削減を考えないといけない」と話す。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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