40代、不妊を泣いて謝った 「産めない自分」を肯定できた母の言葉

 《未婚のまま40代だと狂う》

 目に飛び込んできた言葉に思わず、スマホの画面をなぞる指先が止まった。

 昨年12月中旬、関東地方で看護師をしている女性(43)は、ツイッターのトレンドワードに選ばれたフレーズに心がざわついた。

 40代、未婚、子なし……。キーワードは、ぜんぶ自分に当てはまった。

 「産めない私は、やっぱりダメなのか」

32歳で不妊症の確定診断

 不妊症の確定診断がついたのは32歳のとき。看護師として、子どもが生まれる喜びを間近で見てきた。

 急激な少子化は「解決すべき課題」だと思う。だから「子どもが産めない私はもっともっとがんばって社会に貢献しなくちゃいけないんだ」と人一倍、仕事に打ち込んできたつもりだった。

 年が明けると、岸田文雄首相が年頭記者会見で「異次元の少子化対策」を打ち出すと表明した。スマホに流れてきたニュースを読んで、「産んで、育てたい人をサポートするのはよいことだ」と歓迎した。

 一方、どんなに「産んで」と求められても応えられない自分に、罪悪感がまとわりつく。

 「社会の見えない声で、産めない自分は価値がないと責められている気がする」

 結婚や出産を前提とした世間のありようも女性を苦しめます。女性は42歳の時、母親に「子どもをもたない」と告げました。救いになったのは、母親の言葉でした。

「嫁にいかないのか」

 静岡県田舎町で自動車部品…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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