400年の眠り、目覚めた城下町 戦国の栄華と滅亡の痕跡、続く発掘

 JR福井駅から南東に約10キロ。戦国時代、越前を治める朝倉氏の拠点だった「一乗谷朝倉氏遺跡」(福井市)は今、「タイムカプセルのような遺跡」「眠りからさめた戦国の城下町」と言われる。

 東西と南の3方向を山に囲まれた天然の要害と呼べる場所。北を流れる足羽川から、谷あいを約1・7キロにわたって細長く続く城下町は、計画的に区画された。

 福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の学芸員、多田明加(はるか)さん(24)は「1万人を下らない人が住んでいた」と話す。

【撮影ワンポイント】一乗谷朝倉氏遺跡

 写真の奥に行き交う車を入れて、現代の生活感と遺跡を対比させようと考えた。レンズは標準ズームの24ミリ側を使って、広角すぎない自然な描写を狙った。(金居達朗)

 「北陸の小京都」と呼ばれ、京都や奈良の文化人が訪れた。だが、朝倉氏は1573年に織田信長に敗れ、5代で約100年の治世が終わる。

 城下町は焼き尽くされた。

ひっそりと残り続けた

 眠りについた町の一部が地表に露出し、遺跡を保存する機運が高まったのは約400年後のことだった。

 多くの場合、表土の近くに残った遺構や遺物は、後世にそこに家が建てられる時などに取り除かれる。

 だが、朝倉氏の滅亡後、越前…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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