42年前、ある男性が手づくりした小さな帆船が、最初で最後の航海に成功した。帆船はその後、兵庫・芦屋の小学校に展示されたが、長い年月とともに傷みが進んでいた。父の宝物を再び輝かせたい――。修復を申し出たのは、あのときの航海に同乗していた次男坊だった。
3本のマストを備えた真っ白な「天女丸」(全長・高さともに約5・5メートル、幅約1・3メートル、重さ約450キロ)。1977年、芦屋市の会社員だった故・細川美晴(よしはる)さんが46歳の時に作り上げた。
淡路島出身で、海運業の家に育った美晴さん。自作した船での航海を夢見ていたという。
この年の5月、天女丸の進水式を控えた美晴さんを朝日新聞が紹介していた。記事には「材料はふつうの木材店から買ってきた」「こつこつと六年間。休日の気分のよいときに集中的につくった」とある。
そして2年後の79年4月4日、初航海に臨んだ。
当時の朝日新聞の記事によると…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル