大藤道矢、太田原奈都乃
山口県阿武町が4630万円を誤入金した問題で、町が住民の田口翔容疑者(24)=電子計算機使用詐欺容疑で再逮捕=に返還を求めた訴訟をめぐり、田口容疑者の代理人弁護士は28日、「町に対して、誤入金全額の返済が完了した」と発表した。町が正式に回収していない約340万円について、山口地方法務局萩支局に弁済供託し、27日付で受理されたため、と説明している。
供託した約340万円については「(田口容疑者の)親族や知人ではなく、東京のほうの『ホワイトナイト』から正式に借り入れた」と話している。
この訴訟で町は、4630万円に町側の弁護士費用など約500万円を加えた、約5116万円の支払いを田口容疑者に求めている。代理人弁護士によると、田口容疑者はこのうち誤入金分の請求を受け入れる「認諾」をしており、残る約500万円についても支払うとして、町側に和解の提案をしているという。
一方、こうした田口容疑者側の動きとは別に、町側は20日、法的手続きで回収を完了した約4299万円に加えて残りの約340万円についても「確保した」と会見で明らかにしていた。町は取材に対して28日、「正式に何も聞いておらず、コメントできない」と話した。(大藤道矢、太田原奈都乃)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル