新型コロナ感染症の5類移行後も、感染者が安心できる医療体制は維持されるのか。ウイルスの感染力が変わるわけではなく、引きつづき医療機関側は感染対策などの負担がある一方、財政支援は減らされ、現場からは対応に戸惑う声も聞かれる。
「5月以降、発熱患者を診るか決めかねている」。東京都新宿区の内科の診療所院長はそう話す。新型コロナ下で、発熱患者は基本診てこなかった。38度以上の熱がある患者が来ると、都の相談窓口を案内してきた。患者の大半は高血圧などの持病がある60代以上で、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞を患う高齢者の訪問診療もしている。「ほかの患者にコロナを感染させてしまうのではないか不安だった」からだ。
だが、5類移行後は、医師法に定められた「応召義務」により、コロナ感染やその疑いを理由とした診療拒否ができなくなる。違反すれば医師免許の取り消しや停止があり得る。「発熱患者を診なくては」という思いはあるが、「高齢のかかりつけ患者に感染が広がらないか。守れるのか」。院長は自問自答している。
都内の婦人科診療所院長は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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