西晃奈
人口約3千人の岩手県田野畑村に、「村の発展のために使って」と金の延べ板120枚(計60キロ)が寄付された。換金額は5億2824万円で、村の今年度の一般会計当初予算のおよそ6分の1にあたる。寄付者の氏名や住所、村との関係などについては、本人の意向で非公表とされた。
村によると、寄付者は村政のことをよく気にかけてくれているという。昨秋ごろ、佐々木靖村長と面会し、「働いてためてきた金を寄付したい。財政的に厳しいと思うので、村の発展のために有効に使ってほしい」と相談したという。
1月、1枚500グラムの純金製の延べ板120枚が寄付された。同30日に寄付者と村長らが都内の貴金属店で換金。記録が残る限り、最高額の寄付とみられる。
2月7日に開かれた村議会臨時会では、全額を、村の預貯金にあたる財政調整基金に積み立てる議案が可決された。工藤光幸総務課長は「震災後立ち直っていない産業の振興や子育て、福祉、役場の老朽化対策など課題は多い。寄付者の厚意に沿えるよう活用したい」と話した。(西晃奈)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル