5カ月遅れの入学式が1日、福岡県大野城市の市立大野南小学校であった。コロナ禍で式のなかった1年生のために、6年生が発案。3密を避けるためクラスごとに開くなどして実現させた。
「今から1年2組のミニ入学式を始めます」。加藤陽色(ひいろ)さん(12)の声で、少し緊張した1年生30人が体育館に入ってきた。花のアーチを掲げて迎えるのは6年2組と実行委員計46人。「学校には慣れましたか?」と優しく語りかけ、寄せ書きを渡した。1年生は「ドキドキした」「うれしかった」と笑顔を見せた。
コロナ禍による休校で、運動会も遠足も中止になった。「6年生がしょんぼりしている」と感じた教員が6月末、6年生に「自分たちで何か思い出をつくろう」と提案。実行委員16人を中心に話し合いを始めた。クイズ大会やミニ遠足が挙がるなか、入学式を提案したのは加藤さん。「まず1年生の晴れ舞台をつくってあげたい」。他の児童も賛同し、準備を始めた。
昼休みなどに集まっては話し合い、招待状を書き、式次第を練った。密を避けるため、4日かけてクラスごとに開くことにし、校歌は歌わず曲だけ流した。壇上にはクラスのみんなとつくった段ボールの桜の木を飾った。「大変だった分、達成感がある」と実行委員の月森優斗君(11)。
村松大輔校長は「中止された行事を、子どもたちの思いと知恵で取り戻した。誇らしい」とたたえた。(渡辺純子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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