6歳から毎日描き続ける電車アート 高校生が色鉛筆に込める作者魂

【動画】「あーとすたじお源」で京急の電車を描く和田陽光さん=阿部育子撮影

 6月上旬の昼下がり、横浜市神奈川区の社会福祉施設の一室にあるアトリエで和田陽光(ようすけ)さん(18)が机に向かっていた。

 手に持った鉛筆と定規を素早く動かしながら次々と画用紙に直線を引いていく。

 集中するまなざし。色鉛筆で赤色が足され、躍動感のある京浜急行電鉄の車体が完成。1時間ほどで2枚を描き上げた。

 和田さんは同市南区に住む高校3年生。自閉症と知的障害がある。

0歳からじっと見つめてきた電車

 言葉で他者とコミュニケーションをとるのは難しい。現在、市内の特別支援学校で学んでいる。

 小さい頃から落ち着きがなく、あちこち歩き回っていた。こだわりが強く、長袖を着るか半袖を着るか、何カ月も先のスケジュールも自分で決める。

 自分の思うとおりに物事が進まなくなると、かんしゃくを起こしパニックになることもある。地べたにひっくり返り、血が出るまで頭を地面に打ち付けてしまったことも。

 一瞬も気を抜くことができない毎日を送った母の希未子さん(54)は「正解が分からない子育てだった」と振り返る。

 和田さんが赤ちゃんの頃から…

この記事は有料会員記事です。残り1127文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment