600万円の盆栽が枯死 過去にも4例 盆栽美術館

 さいたま市は11日、市大宮盆栽美術館(同市北区)の五葉松の盆栽1点が枯死したと発表した。コガネムシの幼虫の根の食害と寒暖の差の激しさなどが重なったためとみられる。12年前に寄贈を受けた際の評価額は600万円で、所蔵品では高額の部類に入る。同館で枯死した盆栽は5例目という。

 「五葉松吹流(ふきながし)石付(つき)」といわれ、樹高110センチ、樹幅123センチで推定樹齢は150年。強い風を受けて幹や葉が傾く様子が自然の厳しさを感じさせる作風。世界盆栽友好連盟副会長を務めた愛媛県新居浜市の岩崎大蔵氏(故人)が寄贈した。

 今年4月に葉の一部が枯れていたため、より多くの土から水分や養分が得られるよう石のくぼみから鉢に移植した際、根の半分が食われているのを発見。さらに夏の猛暑から秋への気温の急変がストレスとなり葉の落下も激しく、根も再生できず、今月3日、樹木医が枯死を判定した。

 所蔵する盆栽126点のうち、評価額が500万円以上は枯死したものを含めて10点。現時点で他の盆栽に異常は見当たらないという。同館は地球温暖化のために従来の薬剤散布方法では害虫対策が不十分になっている恐れもあるとして調査研究を進める。(森治文)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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