文・永井靖二 写真・柴田悠貴
7万年余に及ぶ気候変動を刻んだ地層のステンドグラスは、福井県の名勝・三方五湖(みかたごこ)の岸辺で褐色の光を放っていた。中央の白い帯は1万1653年前、「最終氷期」が明けた頃のものだ。
ラムサール条約登録湿地の三方五湖(みかたごこ)は、その名の通り五つの湖を指す。
最大の水月(すいげつ)湖は「奇跡の湖」と呼ばれる。流入河川がなく周囲の山で強風も届きにくい湖水は、水深5~7メートルより下が無酸素状態だ。加えて東側の活断層で、地盤は沈み続けている。そのため生物や流水に乱されず7万年余の間、水深も保ったまま1年に1枚、厚さ平均0・7ミリの地層が堆積(たいせき)した。
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「年縞(ねんこう)」と名付…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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