7時間耐久トロッコ旅、なぜJR四国はマニアックなツアーが多いのか

 JR予讃線の高松から松山まで、トロッコ列車による臨時列車が6月下旬に運行され、記者も同乗してみた。この区間をトロッコ列車が走るのは珍しく、所要時間はなんと、特急の3倍近い7時間。JR四国は、数多くの奇抜なアイデアの列車の旅を提供するが、仕掛け人は2人の若い社員だった。

 6月26日午前8時57分。梅雨特有の曇り空の下、2両編成の列車がJR高松駅を出発した。

 「せとうち縦断! 愛(あい)×藍(あい)トロッコの旅」と題されたツアーが始まった。使われるのは2020年から「藍よしのがわトロッコ」として徳島県内の徳島線を走っている車両だ。

 先頭の1号車がトロッコ車両。車体側面に窓ガラスがなく、手すりはあるものの見晴らしは抜群。2号車は国鉄型キハ185系特急型ディーゼル車で、旧式の特急車両だ。

 乗客は記者も含め、鉄道ファンを中心に27人。関西や四国のほか、中には北海道から来た人も。出発時は、通常車両に乗り込む。新型コロナ対策で、1人で2席使え、車内には余裕がある。

 出発直後、JR四国社員で添乗員の山本直人さん(31)が最初の車内放送。「いよいよ始まりました、7時間耐久トロッコの旅をお楽しみください」。車内が爆笑に包まれる。

 出発からわずか9分後、端岡駅(高松市)でさっそく9分間停車し、快速に抜かれた。この後も、多くの途中駅で特急を中心に行き違いや追い越しがあり、5分以上の長時間停車を繰り返す。

 その都度、乗客はいったん下車し、ホームから対向列車や追い越し列車の撮影を楽しむ。「アンパンマン列車が来るよ」などと、乗客同士が情報を伝え合う。

いよいよトロッコに乗り込む

 午前10時14分、雨が降り出した海岸寺駅(香川県多度津町)で、待ちに待ったトロッコ車両へ移動だ。

 トロッコ車両は向かい合わせ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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